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「梶さんの霊界通信」からの抜粋、内容紹介
梶さんがなくなってからのことを伝える部分より
第二信 「死の意識」 からの抜粋
しばらくしてふと我にかえると、どこからともなく祝詞が聞こえます。「はて、聞き覚えのある声だが‥‥」と耳を澄まして聞き入っておりますと、例の不思議な女の人は笑いながら、「聞き覚えのある声でしょう。気にかかるようですね。あの声のするところへ行ってごらんなさい。あなたはあの祝詞のおかげで助かったのですよ。祝詞に乗ればよいのです」 というと女の人の姿は見えなくなりました。
早速ぼくは、その祝詞の声に調子を合わせて、一緒に唱える事に工夫しました。
何回の工夫をしているうちに両方の声がぴったりと一つになることができました。「ははあ、祝詞に乗るとはこのことだな」 と、深い谷間に反響する声に、陶然と我を忘れておりました。
ふと目を開けてみますと、今まで目前にあった岩石も、谷もなくなって、一つのみすぼらしい家が現れてきました。ぼくが病気になって入院するまで、皆さんと一緒に住んでいた大連の家です。祝詞はその中から聞こえてきます。
いくつかの入り混じった声の一つ一つは、みんな聞き覚えのある声ばかりです。入ろうと入り口に近づくと出会いがしらに女の人が出てきました。それはMさんでした。 「やぁMさん」 とぼくが声をかけたのに、Mさんは全く気がつかぬらしいのです。Mさんは井戸に行って、水を汲むとまた家の中に入っていきます。ぼくもその後からはいって行こうとすると、Mさんはバタンと戸を閉めました。危く戸でぼくの身体半分しめつけられそうになりました。ぼくが手で戸を押さえつけると、Mさんは戸を二、三度叩きながら、「この戸は建て付けが悪くなった」とつぶやいて困ったような顔ををしました。
Mさんは全然ぼくを無視しています。変な気持ちで家の中を見回すと、三、四人が集まって雑談をしています。Tさん、K君、Hさん等、皆、懐かしい人ばかりです。「やあ」とぼくは声をかけましたが、この人達は皆、ぼくを見ようとしません。どうしてぼくに気付かないのかと不満に思って、K君の隣に座り込みました。住み慣れた我が家に久しぶりで帰ってきて、もの珍しくあたりを見まわしますと、正面の壁にぼくの名が位牌のようなものに書いて張り付けてあり、その前にお菓子と野菜が備えてあります。
( ‥‥‥後略)
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